羽子板の飾り方

最近の羽子板は「飾りやすさ」がポイント

羽子板の画像

 

昔の日本の住まいは和室に床の間がある家が多く、羽子板を飾る場所といえば床の間が一般的でした。

 

そのため、羽子板を飾るには十分なスペースがあり、大きめの羽子板を飾るご家庭が多かったようです。

 

しかし、現代の住宅事情は当時とは異なり、生活スタイルもずいぶん変化しています。

 

それに伴って、近年は羽子板をサイドボードやチェストの上などに飾るご家庭が多くなり、羽子板のサイズもコンパクトな物が主流となってきました。

 

このような時代の流れに乗って、最近は8号(板の高さ約24センチ)や10号(約30センチ)など、場所を取らずに飾れて省スペースで収納できるサイズの羽子板が人気を集めています。

 

当サイトをご覧いただいている方の中にも、コンパクトな羽子板を購入しようと考えている方は多いと思いますが、商品選びの際に気を付けておきたいことがあります。

 

それは、羽子板飾りの全体のサイズは羽子板そのものの大きさで決まるのではなく、羽子板をどのように飾るかによって決まるということです。

 

羽子板そのものはコンパクトなものを選んでも、飾り方によって設置や収納に必要なスペースの広さが変わってきますので、コンパクトサイズの商品を探している方は特に注意が必要です。

 

そこで、ここでは羽子板の飾り方にはどんな種類があるのかをご紹介したいと思います。

 

 

立台飾り(出し飾り)

はじめにご紹介するのは、羽子板をケースに入れずにそのまま飾る「立台飾り」です。

 

立台飾りは、その名前のとおり羽子板を飾り台(見立台)に立てるだけのシンプルな飾り方で「出し飾り」とも呼ばれています。
羽子板と飾り台01羽子板と飾り台02

 

立台飾りは省スペースで飾れるのが特徴で、羽子板を飾る場所にあまり広いスペースを用意できないという場合におすすめの飾り方です。

 

また、一般的に飾り台は組立て式なので、片付けるときは分解してコンパクトになりますから、収納場所に困ることもありません。

 

ちなみに、飾り台(見立て台)はお求めになりやすい価格で販売されているため、できるだけ費用を抑えたいという方や、羽子板そのものにお金をかけたいという方にも立台飾りはおすすめです。

 

なお、ネット通販サイトで販売されている羽子板飾りは、ほとんどの商品がケース入りで、立台飾りは商品数があまり多くありません。

 

でも、羽子板と飾り台はそれぞれ単品で販売されていますので、気に入った物を別々で購入することも可能です。

 

例えば、羽子板の飾り台は下の画像のような商品が単品で販売されています。

出典:楽天市場

 

もしも単品で購入する場合は、羽子板のサイズ(号数)に対応した大きさの飾り台を選んでくださいね。

 

単品で販売されている羽子板は下のリンクからご覧になれますので、どんな商品があるのか見てみたいという方は参考にしてください。
羽子板単品の商品一覧はこちら(楽天市場)

ケース飾り(据置きタイプ)

続いてご紹介するのは、ケースの中に羽子板を入れて飾るケース飾りです。

 

今どきの羽子板の飾り方といえば、この「ケース飾り」が最もオーソドックスで、ほとんどのお店が羽子板とケースをセットにした商品を豊富に取り揃えています。

 

ケース入り羽子板01ケース入り羽子板0

 

ケース飾りのメリットは羽子板にホコリが付かず、管理がしやすいこと。

 

ケースの掃除は必要ですが、通常はホコリを拭き取る程度のお手入れで十分です。

 

ケースの素材はガラス製とアクリル製が一般的で、昔から親しまれていて今も流通量が多いのはガラスケースです。

 

一方、アクリルケースは「軽い」「割れにくい」といった理由から最近は人気が高まってきています。

 

また、羽子板のケースにはシンプルで落ち着いた印象のものや、華やかな装飾が施された可愛らしいものなど様々なデザインがあります。

 

特に最近は色や形の種類も豊富ですので、お部屋の雰囲気や好みに合った商品を選びやすくなっていると思います。

 

ちなみに、伝統的な羽子板飾りの雰囲気を演出するなら、昔ながらのシンプルな黒塗り枠のケースがおすすめです。

 

可愛らしい雰囲気を演出するなら、華やかな毬の脇飾りやつるし飾りで装飾されたケース、背景に季節の花々がデザインされたケースがおすすめです。

ケース飾り(壁掛けタイプ)

次にご紹介するのは、羽子板をケースに入れて飾りたいけれど、ケースを置く場所がないという方におすすめの飾り方です。

 

最近はコンパクトなケース飾りが人気で、8号サイズや10号サイズなど小さめの商品が売れています。

 

確かにこれらのサイズの商品は、羽子板自体はとてもコンパクトですが、据置きタイプのケースはそれなりの大きさがあります。

 

そのため、飾る場所と収納する場所には「それなりの広さ」が必要になります。

 

そこで注目したいのが、こちらの羽子板ケースです。

 

壁掛け羽子板

 

この羽子板ケースはオーソドックスな「置くタイプ」ではなく「壁に掛けるタイプ」です。

 

壁掛けタイプなら「羽子板ケースを置く場所が無い・・・」という悩みも解決しますし、お部屋のインテリアにも良く馴染みます。

 

また、商品によってはサイドボードやチェストの上に置いて飾れるスタンド付きのタイプもありますので、壁飾りと置き飾りの2種類の飾り方が楽しめます。

 

スタンド式羽子板

 

 

壁掛けタイプのケースは薄型なので、飾る場所はもちろん収納場所についても広いスペースを用意する必要がありません。

 

こちらのページでは壁掛けタイプの特徴などを詳しく解説していますので、羽子板を飾る場所が無くて困っていたという方は是非ご覧になってください。
壁掛けタイプの羽子板飾り(額飾り)なら設置場所も収納場所も困らない

その他の飾り方

ここまでは一般的な羽子板の飾り方をご紹介しましたが、他にも素敵な飾り方がありますので、その一部をご紹介します。

 

最初にご紹介するのは、羽子板に几帳を合わせた飾り方です。

出典:楽天市場

 

几帳とは平安時代に貴族の屋敷の空間を仕切るために生まれた屏障具のことで、おしゃれな和空間の演出に最適なアイテムです。

 

設置場所は少し広めのスペースが必要ですが、几帳は収納時の厚みが少ないため羽子板ケースほどの収納スペースは必要ありません。

 

そのため、飾る場所はあるけれど、できるだけ省スペースで収納したいという方にもおすすめです。

 

飾り方としては当ページで最初にご紹介した立台飾りと同じスタイルですが、几帳を添えると羽子板の美しさがより一層際立ちます。

 

なお、羽子板と几帳がセットになった商品はあまり販売されていません。

 

そのため、早めに完売になってしまう可能性がありますのでご注意ください。

 

 

続いてご紹介するのは、羽子板に屏風を合わせた飾り方です。

出典:楽天市場

 

屏風といえば雛人形を飾るときの道具としてお馴染みですが、羽子板にも良く合います。

 

屏風も収納時の厚みが少ないため、できるだけ省スペースで収納したいという方にもおすすめです。

 

なお、羽子板と屏風がセットになった商品もあまり多くないため、早めに完売になってしまう可能性があります。

 

ただし、屏風を単品で販売しているお店もありますので、気に入った羽子板と屏風を別々で購入することも可能です。

 

ちなみに屏風を単品で購入する場合は、一般的な雛人形用の横長タイプの屏風よりも、下の画像のような少し高さのある屏風の方が羽子板飾りには合うと思います。

 


出典:楽天市場

 

また、五月人形用の屏風にも羽子板飾りとマッチするデザインがありますので、興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

当ページでは羽子板の飾り方の種類について紹介しましたが、飾り方には特にルールがありません。

 

そのため、立台飾りにするかケース飾りにするかは、各ご家庭の条件に合わせてお好みで選べば良いと思います。

 

ただし、どの飾り方にするかによって全体のサイズが変わるということに注意してください。

 

一般的には立台飾りよりもケース飾りの方が、広い設置スペースと収納場所が必要になります。

 

なので、まずは「羽子板をどこに飾るか、どこに収納するか」を決めてから、そのスペースに応じたサイズの商品を選ぶのがポイントです。

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