羽子板のお顔

羽子板のお顔は種類が豊富

初正月のお祝いに飾る羽子板は、美しい衣装もさることながら表情豊かなお顔も見どころのひとつです。

 

ただ、ひと口に羽子板のお顔をいっても種類は様々。

 

最近の羽子板は古典的な日本美人のお顔だけでなく、目のパッチリした現代風の可愛らしいお顔もたくさん販売されています。

 

中にはお顔が現代風なだけでなく、髪の毛がカールしている商品もあり、お顔の種類はますます豊富になってきました。

 

下に並べたお顔の画像はほんの一部ですが、それぞれ違った表情でみんな素敵なお顔をしています。

 

羽子板の顔

 

上の画像をご覧になってわかるように、顔立ちが古風なものと現代風なものがあるだけでなく、お顔が左を向いているものと右を向いているものがあります。

 

これだけ色々な種類があると迷ってしまいそうですが、基本的に羽子板のお顔は好みのものを選べば良いと言われています。

 

ただ、羽子板は伝統的な工芸品ですので、もしかしたら本来は初正月の羽子板飾りにふさわしいお顔があるのかもしれません。

 

また、お顔の向きにも何か意味があるのかもしれません。

 

そこで、節句人形店の販売員さんに羽子板のお顔について色々とお話をうかがってきました。

 

ここでは、販売員さんに教えていただいたことをまとめてみましたので、私と同じような疑問を持っていた方は、是非このままお読みください。

羽子板のお顔に関する疑問を解決

羽子板のお顔について色々と教えていただいたのは、人形の町として有名な岩槻のとある節句人形専門店のベテラン販売員さんです。

 

まず、私が一番気になっていた「初正月に飾る羽子板としてふさわしいお顔はあるのか?」ということを聞いてみました。

 

これについては「特にどのお顔がふさわしいとか、古典的なお顔の方が良いなどの決まりはありません」とのことでした。

 

羽子板は、その役目を終えるまで飾り続けることが何より大切だそうです。

 

そのため、「古典的なお顔でも現代的なお顔でも、好みのお顔を選んでいただいて結構ですよ」と教えていただきました。

 

また、羽子板には右向きのお顔と左向きのお顔がありますので、「お顔の向きには、何か意味があるのか?」とも聞いてみました。

 

これについては、「お顔の向きには特に意味はないので、どちらを向いていても構いません」ということです。

 

というわけで、初正月に飾る羽子板のお顔については、特に昔ながらの決まり事のようなものはないことがわかりました。

 

また、お顔の向きにも意味はありませんので、これから羽子板をご購入される方は純粋に気に入ったお顔を選んでくださいね。

 

なお、販売員さんからお顔を選ぶときのポイントをひとつ教えていただきました。

 

それは、羽子板のお顔は制作方法(仕上げ方)によって表情の繊細さや色彩、値段が変わってくるということです。

 

なので、「商品を選ぶときにはお顔の仕上げ方の違いに着目するといいですよ」と教えていただきました。

 

そこで、次はお顔の仕上げ方の種類と、それぞれの特徴などをご紹介したいと思います。

 

特にお顔にこだわって羽子板を選びたいと考えている方は、続いての記事もぜひ参考にしてください。

 

面相の種類とお顔選びのポイント

羽子板のお顔のことを節句人形業界では「面相」とも呼んでいます。

 

そして、面相の仕上げ方には「印刷面相」と「手描面相」の2種類があります。

 

印刷面相は読んで字のごとくで、印刷(プリント)による面相です。

 

印刷面相は形式的な顔をプリントしたものなので、どの羽子板も同じお顔になります。

 

こちらが印刷のお顔です。

 

印刷面相

 

一方、手描面相は熟練の職人さんが一品ごとに手描きで顔を描き入れた面相です。

 

手描面相は様々な太さの筆を巧みに使い分けて、繊細な線で丁寧に描くため非常に手間がかかります。

 

その分、値段は印刷面相の羽子板よりも高めになりますが、美しい色彩や豊かな表情など、手描きでなければ表現できない味わいがあります。

 

こちらが手描きのお顔です。

 

手描面相

 

このように、羽子板のお顔には印刷と手描きがあり、制作方法によってお顔の表情や色彩、値段などが違うため、この点が羽子板を選ぶときのポイントになります。

 

例えば予算が限られていている場合は価格重視で印刷面相、伝統の職人技にこだわる場合は手描面相など、どこに魅力を感じるか何を重視するかによって羽子板の選択肢は変わってきます。

 

印刷面相と手描面相のどちらが良いかは好みによりますが、羽子板を選ぶときのポイントとして面相の仕上げ方の違いとそれぞれの特徴にも着目すると良いでしょう。

 

なお、職人さんが一つ一つの羽子板にお顔を描く手描面相は、同じタイプのお顔でも一品ごとに表情が微妙に違います。

 

手描面相の羽子板はまさに一点物で、どのお顔も一つとして同じものはありません。

 

そのため、「実店舗で実物を見て羽子板を購入したい」と考えている方は、気に入ったお顔に出会えたら、できるだけ早めにご決断されることをおすすめします。

 

初正月のお祝いに飾る羽子板は期間限定販売の季節商品なので、羽子板飾りをお求めになるお客様はこの短い期間に集中します(特に土日祝日はどのお店も混み合います)。

 

せっかく気に入ったお顔の羽子板が見つかったのに、他のお店の商品を見ている間に売り切れてしまう可能性もありますのでご注意ください。

 

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